永久運動

日記のような、随筆のような、ただ思ったことをつらつらと書きつらねるところです

温度差

 まあなんというか笑顔と会話と勢いにあふれた怒涛の9月が一瞬で終わって、それらがきれいさっぱり失われた10月が始まって2週間がたとうとしているのやけれども、そんな雰囲気だけでなく、まわりの環境にもまだ慣れずにいる毎日を過ごしている、というか過ぎ去ってゆく。住む場所も、住んでいる人間も、日中一緒に顔をあわせている人達もすべてが完全に変化し、その変化に順応するどころかついてゆくこともままならず、きがついたら寒くなってパーカーとか着だしてしまいました。最近一気に寒くなりだしましたね。

 

 「異物感」という感覚、まあ人間ひとり生きていれば多少は経験するとは思うのだけれども、それは学校の新しいクラスであったり、新しいバイト先であったり、友達の友達とゆく飲み会でだったりで感じたりした思い出がふつふつとよみがえって、まあたいてい良い思い出ばかり思い出されて、それは、集まったひとたちがみんな同じような年齢のひとばかりだったからやないのかと考えまして。でも会社って、違うじゃないですか。同い年のひとだけでなく、むしろ年下の先輩なんかがいたり、生まれた場所も、話すことばの方言も違うお年を召された方なんかもいて、それはまあ簡単にこころの距離感はつめれませんわな。と納得するなどして。それだけではなく、やはり同じ業界の仕事をずっとやってきた方々、仕事にたいする熱意というか真剣さというか向き合い方が全然違っていて、役職についてて責任があるというのではあるかもしれないけれど、ほんとうに真向から仕事をしているさまをみて、今後こんなふうに一生懸命になれるのかな?無理なんとちゃうかな?と正直不安に思ってしまったり。

 

 異物感として思い出されるのは、大学生のころ、ほんのちいさなつながりしかなかった友人にサウナにさそわれたことがあって、しかもややハイグレードのものの(サウナのグレードとかわからないけれど)。でも私のサウナの経験は、スーパー銭湯にあるような簡単なタイプのものにはいって、あちちなんて言いながら2分くらいで出た記憶しかなかったので、よっしゃいっちょ高級なサウナに入ってみるか!なんて意気込んで、適当にタオルとかパンツとか着替えとか用意したのだけれど、なんとその友人が連れていってくれたのは山奥のロッジで、そこにはいわゆる「いつメン」たちがあつまるゴリゴリのサウナサークル所有地みたいなところだった。玄関には靴が所狭しと並んでいて、部屋のなかにはサウナハットやサウナスーツに身を包んだ大勢の若い男女があつまり、仲良さそうに話をし、ごはんをたべ、サウナに入り、楽しい時間をすごしているなか、なんの知識もサウナグッズももたない私は、そこに入りにくいというよりも、入らないほうがいいんやないかという感情すらわいてきてしまって、変な笑顔しかつくれなくなってしまっていた。結局外に用意されていたテントのようなサウナに入り、いいかおりがしてきもちよかったものの、やはり「異物感」はずっとべったりからだじゅうにこびりついたままで、汗をかいてもシャワーをあびて着替えても消えなかった。なにより驚いたのは、私をさそったその友人は私としか会話せず、ずっと一緒だったので、「まわりの人となじめなさすぎてしんどいわ」とちょっと本音を漏らすと「俺も初めてきたから正直しんどい」。いやお前も知らんやつらなんかい!と言うてしもうた。

 

 サウナにかんしても、仕事にかんしても、まわりとの温度差が距離感のどうこうに起因するのやとはおもうけど、その温度差というのは知識であったり真剣さだったり向き合い方だったりするとおもうし、一朝一夕ではその差は埋まらないし、それを埋めるには自分自身が埋めようとしなければ埋まらない。ですが私は自分から好きになったものしか好きになれない体質であるので、はたしてその温度差をちいさくすることができるのやろか?その温度差をかんじることに慣れてしまえば、何も感じなくなるのではないやろか?でもそれに慣れるよりも、温度差をちいさくするほうが簡単なんやないやろか?と堂々巡りのかんがえがうまれてしまっている。どうかこの温度差で風邪をひきませんように。最近寒くなっていますからね(2回目)。